「老化もまた進化」を合い言葉に還暦女性の目線で年齢を重ねること魅力を愛をこめて綴ります。
はじめに
ストレスは、老いも若きも関係なく、毎日こっそり部屋に入ってくる招かれざる客。
しかもノックなし、靴も脱がない。
だからこそ、私たちはこのお客さんの扱い方――つまりストレスマネジメントを覚える必要があります。
適度なストレスは、まるで味噌汁のように人生をほっこりと引き立てます。
でも、過度なストレスは味噌をひと袋入れた味噌汁みたいなもので、誰も二杯目はおかわりしません。
呼吸という唯一のリモコン
心臓や胃腸は自分では操作できませんが、呼吸だけは唯一、自分で握れるリモコン。
ストレスが多い時、胸やお腹の筋肉はガチガチになり、呼吸は浅くなります。
それは、まるで酸素不足の金魚が水面でパクパクしているような状態。
そんな時は、意識して長〜く息を吐く。
これだけで交感神経(アクセル)と副交感神経(ブレーキ)のバランスが少しずつ戻り、
体の中に「まぁまぁ、落ち着け」という空気が流れます。
自律神経は、あなたの意識が及ばないところで働いてくれるありがたい存在。
神という文字が入っていること自体、神秘の力を感じますね。
ため息という天然ブレーキ
ふと漏れる「はぁ〜」は、あなたの体が勝手に入れる“安全ブレーキ”です。
交感神経が全力で走ってしまったとき、
副交感神経がそっとハンドルを握り直してくれている証拠。
ため息に気づいたら、「やばい、幸せが逃げる!」なんて昭和の迷信は無視。
むしろ、「あ、今ブレーキかけてくれたのね。ありがとう」と思って、
意識的にもうひと息、長〜く吐いてあげましょう。
いったん優位になった交感神経は、放っておくと2時間は元に戻らないというのです。
2時間アクセル全開の車を想像してください。
いずれどうなってしまうのか、容易に想像できますね。
また、本当に疲れきったら、ため息も出ない...というのも本当で、アクセルもブレーキもきかない状態になることもあるそうです。
ですから、ため息が出ているうちに早めに対処しましょうね。
ため息の元は人間関係が運んでくる
正直に言います。
ため息の原因のほとんどは、人間関係。
いいことも悪いことも、人が運んできます。
不必要な付き合いは、まるで賞味期限切れのジャム瓶のように、冷蔵庫の棚に置きっぱなしにしても邪魔になるだけ。
私も思い切って、長年のママ友会や、やる気の出ない趣味グループ、
そして気の進まないボランティアを一気に“断捨離”しました。
結果は…冷蔵庫を片付けた時と同じ爽快感。
しかも孤独は意外とおいしいスパイスでした。
手始めに、スマホの中の不要な連絡先を消すのもいいですよ。
自分との関係を最優先に
顔色をうかがうクセ、我慢するクセ、良い人ぶるクセ――
全部まとめて、今ここで成敗。
最も大切な人間関係は、他人との関係ではなく自分との関係だと気づいたのです。
ここが丸く収まっていなければ、世のため人のためなんて本末転倒。
だから、まずは自分との間にふかふかのクッションでも置いて、
「さあ、今日はどうする?」と毎日お茶会してください。
おわりに
ため息は、心から立ちのぼる湯気です。
冷えた心をそっと温め直す合図でもあります。
ため息に気づいたら、ゆっくり長く吐いて、
あなたの中の交感神経と副交感神経のお茶会を再開させましょう。
そして、人間関係も自分関係も、まあるく収めて――
今日の景色を、昨日よりちょっとやさしい色に塗り替えてみてください。
お読みくださりありがとうございました。